伝統空手出身のわたしとしては、競技ブラジリアン柔術を楽しみながらも本質を知ることに興味がある。
日本からグレイシー一族に柔術が伝わり、最近ではスポーツ化し一気に世界的に普及したブラジリアン柔術。日本の柔術が加納先生により、柔道になってからその門下生である前田先生がブラジルに伝え、JIUJITSUとして世界に広まった。
近代柔道へ変化する前の柔術から来たエッセンスと、のちにブラジルや世界で開発された技があり、いまでも進化し続けている。
ブラジリアン柔術の競技化によってスポーツとしての側面が印象深いが、日本の柔術から時を超え受け継がれたグレイシー柔術の哲学についてまとめる。
百戦錬磨のヒクソン・グレイシーの戦いやドキュメンタリー、著書を読んでも、
グレイシー柔術は、一本取られたら、それは死を意味する。故に、負けない戦いをすることが求められている。
グレイシー柔術の本質
グレイシー柔術の現在のトップであるヒーロン・グレイシーは、
柔術の本質は、生き残ること(Survive)とし、Survival Seminar Series を公開し、4つのエッセンスとして、
- ディフェンス
- エスケープ
- コントロール
- サブミッション
をあげ、説明してくれている。
現代のブラジリアン柔術のポイントルールも、ポジションをしっかりと順序を踏んで有利に運んでいくことは共通すると思う。しかし、ディフェンスを一番に考えると、勝敗がポイントで決まるため、グレイシー柔術の思想とは違くなってしまう。
ポイント変調になりがちだが、グレイシー柔術より本質をしっかりと理解することで柔術の質を上げていきたい。
ディフェンス
一番大事なディフェンスの考え方について説明されている。
ディフェンスの3つの要素が紹介されている。
a. Big – Avoid/defend the positions and moves where the attack can begin.
b. Small – Keep your opponent from completing what they have started.
c. Deep – Defensive options for when you are in a deep submission.
相手のポジションや動き出しの時から、サブミッションまでを3つの段階に分けて、いかに防御するかについて言及。上記を意訳すると
a. Big – 抑えから攻撃が始まるポジションや動きを防いだり、ディフェンスする
b. Small – 腕や首など相手が攻撃部位を絞り開始するのを抑える
c. Deep – 深くサブミッションに入られた時のための防御の選択肢を持て
ポイントは第一に進行を防ぐことを意識し、焦らないこと
★ 相手の攻撃の成功を受け入れて、落ち着いて対処。早い段階での対処が大事。
Big ではディレイ(遅らせる) / ストップ(止める)、Smallでは、パニックにならない、Deepでもスペースをみつけて、エスケープを狙うこと5秒があれば、新たな計画ができ、スペースを築ける(クリエイトできる)。
このコンセプトは、どのポジションでも応用できる。
エスケープ
ついで、エスケープ
エスケープの3つの要素が紹介されている。
a. Accept – Escape when the opportunity is perfect.
b. Create – Use a combination of techniques to escape.
c. Force – Use a combination of technique, surprise, speed and explosiveness to create space.
相手のポジションを受入れたのち、いかにエスケープするか、意訳すると
a. Accept(受入れる) – 機会が整ったらエスケープをする。
b. Create(スペースを創造) – エスケープするための連続技をつくる。
c. Force (圧をかける)- エスケープするためのスペースをつくるために虚をつく、速さ、瞬発連続技を使う。
サイドポジションになられても、受け入れて耐える。サイドマウントから、マウントに相手がうつるときに、ハーフガードにするなど機会を伺う。
基本的にはディフェンスが大事で、負けなければ勝ち。時間をかけて相手を動かすことで有利な状態を待ち、虚をつく。マインドセットはディフェンスして極められないことが優先。
クリエイト:ブリッジ、ツイスト、エビで、バランスやスペースを作る。
フォース:クリエイトするために、首を首刀で押したり、驚かせたりする。
前述二つは防御からの逃げ、ついで攻撃について
コントロール
攻撃にまわったとき、まずはコントロールを意識する。
コントロールについての3つの要素は
a. Closed – A control that is more fixed – focusing on grips and tightness.
b. Open – Connected but not attached, focused on balance, pressure and gravity.
c. Dynamic – Using the threat of submissions and strikes to control.
ガッチリ密着してコントロールをするか、相手の動きに合わせてコントロールするか、自ら動きコントロールするか。上記の意訳は、
a. Closed(接近) – 掴みと密着に集中し、より固めてコントロール
b. Open(ゆるく)- 接近はするが密着ではなくバランスと重圧を意識しコントロール
c. Dynamic(動的) – サブミッションや打撃の脅威を使い、コントロール
ダイナミックについては動画ではニーオンザベリーを左右に移動しながら行う動きが紹介されている。が、まだ自分にははやそう。頭に入れながらも、白帯としては、まず Closedになりがちなので、Openから挑戦していこうとおもう。
相手のエスケープする動きに合わせてオープンでコントロールできるようになりたい。
サブミッション
相手をコントロールできたら、ようやくサブミッション。負けない戦い方の中で、一本まで道のりは慎重に。
サブミッションについての3つの要素
a. Accept – When you accept the mistake that your opponent makes.
b. Create – Using technique to create an over-reaction from your opponent.
c. Force – Making your opponent submit by any means necessary.
相手をよく見ながら、クリエイティブに攻めろ!(正直最後のパートは理解が追いつかなかった。。。)
できる範囲で、意訳すると
a. Accept(受入れる) – 相手がミスをしたら受け入れろ!
b. Create – 相手の反応を超えるコンビネーションテクニックを(狙いを定めさせない / 揺さぶりをかける)
c. Force – ありとあらゆる方法で相手を極める/締める
こちらのパートはクリエイトしろということが要素として多かった。
まとめ
ブラジリアン柔術のルーツである、グレイシー柔術の現在のトップである
ヒーロン・グレイシーによると、柔術の本質は、生き残ること(Survive)
Surviveすることを最優先に、自己防衛をしながら一本をとりにいく。
- ディフェンス
- エスケープ
- コントロール
- サブミッション
十分なディフェンスを常に最優先に考え、アタックされた場合も間合いに応じて、冷静にそこからエスケープをする。攻撃をする際は、しっかりと相手を制した上でコントロールし、相手の隙をみつけてサブミッションまで持っていく
コンセプチュアルな部分は大枠として理解ができたが、奥深すぎて、全部を理解できたとは思えない。半年おきに動画をみてもあたらしい、発見があるだろうという言葉がパート4にはあった。半年おきにみることで理解度の確認したい。
是非、パート1からみてみよう!
また、Gracie University というオンラインサイトもあるのでグレイシー柔術餓鬼になる方はのぞいてみるとよいかも。
鍛錬あるのみ