意外と知らない法律ができるまでの流れ

意外と知らない法律ができるまでの流れ

閣議決定されました!とニュースになることがありますね。

これはどういうことなのでしょうか。法治国家で生きている私たちにとって法律が新しくできることは、暮らしにインパクトがありますよね。国策によってマーケットが動いたりするので、とても重要ですが、日々忙しいと何が何なのかわからなくなっていきます。今回は法律ができるまでの流れについて紹介します。

「国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と、憲法第四十一条は規定する。とありますので、国会の役割が重要です。

内閣府が出している法律の原案作成から法律の公布までを参考にしてます。

法律ができるまでの流れ

法律ができるまでは、以下の流れがあります。

政府主導の法律の場合は1からスタート。議員主導の立法は4からスタートです。

  1. 各省庁法律案の原案作成 
  2. 内閣法制局における審査
  3. 国会提出のための閣議決定
  4. 国会における審議
  5. 法律の成立
  6. 法律の公布

政府主導の立法の法律がほとんど

前述のプロセスを踏みます。各関係省庁が原案を作り、内閣法制局の審査の上、各大臣が内閣での閣議で議案に上げて、閣議決定されてから、国会で衆議院や参議院で話し合われます。国会では法案が該当する各委員会で事前に話し合われ、通過すれば、本会議にかけられます。衆議院・参議院を通過すると法律として可決されます。可決されたら、30日以内に担当の大臣と総理大臣による国民に周知する公布が行われます。その後、施行が行われます。

政府・与党が強いので、政府提出議案が法律のほとんどの現状があります。閣議決定通ってしまえば、ほぼ決まりですかね。

議員立法の法律は少ない。

議員立法の成立率2割 野党法案は審議されず 政府提出は9割という記事もあります。自民一強のいまは、こうなってしまっているのですね。

国会で審議する法案には2種類ある。政府が出した政府提出法案(閣法)と、国会議員が提出する議員立法だ。2012年の第2次安倍政権発足以降、閣法の成立率が9割なのに比べ、議員立法は2割弱にとどまる。限られた会期のなかで政府・与党は閣法の審議を優先するためだ。野党が独自に出した議員立法は審議されないものも多い

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40626780Z20C19A1SHA000/

議員提出議案は、提出する条件は、衆議院の場合は二十人以上、参議院の場合は十人以上の賛成議員が必要となっています。予算を伴う法律案なら、衆議院で五十人、参議院で二十人以上の賛成議員が必要だそうです。

国会で審議されている法律案について

内閣法制局のサイトで、国会で審議されている法案がみれますので参考にしてください。

第200回の国会での法律案を例にすると以下の様になります。

閣法番号成立法律案名主管省庁
1一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案内閣官房
2特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案内閣官房
3裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案法務省
4検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案法務省
5農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律案農林水産省
6肥料取締法の一部を改正する法律案農林水産省
7防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案防衛省
8情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案経済産業省
9構造改革特別区域法の一部を改正する法律案内閣府
10会社法の一部を改正する法律案法務省
11会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案法務省
12外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案法務省
13外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案財務省
14公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案文部科学省
15港湾法の一部を改正する法律案国土交通省

国会は、野党による議員や大臣の問題を追求することがイメージとして強いと思いますが、立法府としての機能がやはり大事ですね。法律はとても大事なので、ウォッチしていきましょう!

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