モンテッソーリ教育についての育児備忘録

モンテッソーリ教育についての育児備忘録

自分で考えて自ら育つ子をつくるモンテッソーリ教育について考えていく。

モンテッソーリ教育については、Googleのラリー・ペイジ、Amazon.comのジェフ・ベゾス、Wikipediaのジミー・ウェールズなどの著名人が育ったということで数年前からよく耳にしている。親になってより興味が湧いてきたので今一度、モンテッソーリ教育について調べてみたのでここにまとめる。

モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ教育とは何かについてまず確認したい。日本モンテッソーリ教育総合研究所のホームページをみてみよう。

モンテッソーリ教育は、医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在がモンテッソーリ教育の前提となっています。歩くことを教えなくても、歩こうとしたり、積極的に環境に関わりながら様々な事柄を吸収していったりする姿は、子ども自身が自立に向かって、成長・発達していこうとする姿のあらわれといえます。この内在する力が存分に発揮できる環境と、自由が保障された中で、子どもは自発的に活動を繰り返しながら成長していきます。

https://sainou.or.jp/montessori/about-montessori/

マリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法で、子供が自ら伸ばしたい力、自分を育てる力が備わっているという考え方がポイントの教育法のこと。

モンテッソーリ教育の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことです。その目的を達成するために、モンテッソーリは子どもを科学的に観察し、そこからえた事実に基づいて独特の体系を持つ教具を開発するなどして教育法を確立していきました。その教育法の確かさは、現代の大脳生理学、心理学、教育学などの面からも証明されています。

https://sainou.or.jp/montessori/about-montessori/

ゴールは、自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てることとある。

素晴らしい!幼児期に身につけた自立心は成長して社会に出てからも大切になってくる。3歳までの幼児期が大事だと、以前こちらの記事で触れたが、3歳までに脳は完成するのでその前に自立をサポートするには、どうすればいいのかのヒントがありそうだ。

自分自身の内面の要求に従い「自己選択→繰り返し→集中→充実感」という活動サイクルの中で人格を形成していくことに着目している。「一人でできる」を作る教育。

モンテッソーリ教育は環境づくりが大事

子どもは生まれながらに自己教育力を備えているが、自分で取り組めるような「整備された環境」や、その環境に関わるための方法を知らなければ、その力を存分に発揮させることができない。子供が興味を持ったことに対してついつい引き伸ばしてあげるどころか、思い通りにコントロールしていく方向に話が進みがちである。モンテッソーリ教育は、教師(大人)の価値観で一方的に教え込もうとするのではなく、子どもの興味や発達段階を正しく理解し、子どもが触ってみたい、やってみたいと思う環境を適切に用意し、その環境と子どもを「提示」などによって結びつけ、子どもの自発的活動を促していく。子どもが自分で選んだ活動に満足いくまで繰り返し、取り組みながら様々な能力を獲得していくことをアシストしていく。

子供をじっくり観察し、やりたいと思うことの兆しをキャッチし、自分で伸ばしたい才能への挑戦を応援してあげることが大人には大事。ついつい「ダメー!」「何やっているの!」というふうになりがち。安全の確保もしつつ、引き出す方法を常に考えてあげたい。

モンテッソーリ教育の内容について

モンテッソーリ教育では、0歳から6歳までの乳幼児期を発達段階の特徴から0歳から3歳までの前期と、3歳から6歳までの後期に分けて考えている。それぞれの発達段階にあらわれる敏感期を背景に教育環境を用意している。敏感期は、自己教育力の具体的なあらわれといえます。敏感期とは、自分の成長に必要な事柄に対して敏感になり、環境の中から子ども自身が選び出して熱心に取り組みながらその対象を難なく獲得する時期と定義している。

子供の発達と敏感期

敏感期って初めて聞いたが、魔の2歳児、イヤイヤ期とよく聞く話のようにも感じたが、モンテッソーリではポジティブな時期としている。やってもらいたいことと、やりたいことを引き出すバランスはどうなのか、どう演出してあげるのかのバランスが大事ですな。敏感期は生きるための本能的な反応なのでこれを予め知っておくと、イヤイヤ期というよりも成長の兆しと感じれるだろう。

  • 胎児7ヶ月~3歳前後
    【話し言葉の敏感期】子どもはこの間に聞いた言葉や音をもとにして話し始める
  • 生後6ヶ月〜3歳前後
    【秩序の敏感期】物の位置や順序などにこだわりを持つ
  • 0~3歳前後
    【運動機能の発達の敏感期】歩く・座る・持つ・運ぶといった動きの獲得
    ※3~6歳になると今度はそれらの動きよりもさらに高度な運動を獲得するための敏感期が訪れる
  • 4~6歳前後
    【数の敏感期】数字に対して興味を持つ
    【文化の敏感期】生き物、地理や歴史に興味を持つ

「ヒト」として生まれてきた子供が、人間社会という 環境の中で「人間」へと変わっていく時期で一番重要!

ちなみに、モンテッソーリは、「発達の危機」として0~3歳の子どもには「誕生の危機」「離乳の危機」「反抗の危機」という3つの危機が訪れるとしており、イヤイヤ期はまさしく「反抗の危機」で、生後30~36カ月頃、ちょうど2歳半から3歳の誕生日を迎える頃に起こるイベントのこと。

子供のこだわりから、変換して考える身に付く能力と捉えて、対応していく心構えになることが大事。

  • 同じことを同じ順序で繰り返したい「順序へのこだわり」→ 段取り力へ発展
  • 同じことを同じようにしたい「習慣へのこだわり」→ 集中力を育てる
  • 同じ場所に同じ人がいないと気持ちがわるい「場所へのこだわり」→ 倫理観へ発展
  • 高いところに乗って歩きたい「運動へのこだわり」→ バランス感覚をつける
  • 3本指を使いたい「指先の運動へのこだわり」→ 器用な手先をつくる

0~3歳までの前期

人間としての基本的な能力を創造することに一所懸命な時期。赤ちゃんの自己形成=自立・運動の調整・ことば・意志の発達。

0歳から3歳までの前期は「吸収する精神(無意識)」の時期と呼び、人生の中でもっとも吸収力が強く、その後、何年かけても達成できないようなことをいとも簡単に獲得し、人間社会に「適応」していく時期としている。脳がほぼ完成する時期に何を提供したらいいのだろう。子どもの自己教育力を発揮させる環境としてモンテッソーリ教育では主に以下の7つの教育環境を用意しているそうだ。家出できることはやりたいとこ。

粗大運動の活動

運動の獲得は、子どもの成長の方向である自立への一歩。ここでいう「運動」とは、跳び箱や鉄棒などの体育的なものではなく、歩く、階段の昇り降り等の全身を用いた大きな動きをさす。ずり這いから歩行までの運動の獲得を援助していく。これなら家でもできそう。

微細運動の活動

手、指を使った運動をさす。握る、落とす、たたくなどの動きを通して微細運動の獲得を促していく。これも家でできそう。

日常生活の練習

粗大運動と微細運動が複合的に合わさった活動です。共同体の一員として日常の活動に参加させることにより、環境への適応を促していく。着衣枠、観葉植物の世話などの活動が含まれている。

言語教育

ことばの獲得は、人間のDNAに組み込まれている本能。子どもは「話しことばの敏感期」にしたがって、自分の周囲で話されている母語を獲得するう。しかし、ことばの量や質は環境に左右される。モンテッソーリ教育の『言語教育』では、子どものことばの発達段階に合わせてきめ細かなステップを用意し、豊かな語彙を養うとのこと。言語は自分たちでできないのでスペシャリストが必要そう。

感覚教育

子どもには、無意識に環境をまるごと吸収する精神が存在。吸収する精神によってため込んださまざまな感覚的な印象は、感覚教具に触れることによって整理されていく。「感覚の敏感期」を考慮し、発達段階や興味に応じた感覚教具に触れることにより、感覚の洗練を促す。また、感覚教具の操作方法は、子どもの知性の覚醒。感覚教具はいろいろなものが売られている。

音楽

世界中のどの文化にも音楽があり、子どもは音を聴くと、自然に体を動かしたり、楽器を鳴らしたりして、表現することを楽しむ。音楽を聴くこと、楽器を鳴らすこと、歌うこと、踊ることなどを促す環境を用意。家でもダンスや歌を一緒に楽しめるかな。

美術

クレヨンや絵筆を握って絵を描いたり、粘土をこねたりします。目と手の協応動作の獲得を促すだけでなく、思いのまま自由に表現することを楽しむ活動です。

運動、言語、美術、音楽など五感を刺激する動きは家でもできると思うので実践していきたい。

3~6歳までの後期

意識的な精神の目覚めと発達、前期に得た能力の洗練。我が家では、だいぶ先の話だが、3歳から6歳までの後期は、「意識の芽生え」の時期と呼び、前期に無意識に吸収したさまざまな事柄を、意識的に整理、秩序化していく時期だそうだ。子どもの自己教育力を発揮させる環境として以下の5つの教育分野がモンテッソーリ教育では用意されている。

  1. 日常生活の練習
  2. 感覚教育
  3. 言語教育
  4. 算数教育
  5. 文化教育

より、知性を高める教育を行う時期。モンテッソーリは「同じ物がわかる(同一性)」「比較して順番にする(順序性)」「分類する(集合)」という3つを「知性」の働きとしている。

まとめ

知れば知るほど魅力的な、モンテッソーリ教育。家でできることからはじめてみたい。

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